共在研究

「他者と共に在ること」の統合的理解と実践的展開

動画:50秒でわかる共在研究
50秒でわかる共在研究(00:52)
研究概要

Research Overview

研究の全体像と目的

子どもの共在画面
子どもの共在場面

私たちは、いつも誰かと「共に在る」ことの中で生きています。家族や友人、学校や職場、地域社会の中で他者と過ごすこと。あるいは、リモート授業、オンライン会議、メタバース、ロボット、AI、伴侶動物など、人間以外の存在や遠く離れた相手とつながること。現代社会では、「一緒にいる」という経験そのものが、急速に変化し、多様化しています。

ボンガンドの投擲的発話

本研究領域では、この「共に在ること」を共在と呼び、その成り立ちと働きを学術的に明らかにします。共在は、単に同じ場所にいることではありません。また、協力、共感、会話、共同作業のような目に見える相互作用だけを指すものでもありません。むしろ、それらの前提となる、「互いに働きかけることができる」「そこに相手がいると感じられる」という、より基礎的な状態です。

伴侶動物
伴侶動物

近年、ICT、AI、ロボット技術の進展により、私たちは物理的な時空間の制約を超えて他者とつながることができるようになりました。一方で、コロナ禍における対面機会の喪失、リモート化の急速な普及、孤立・孤独の増加、学校や職場における共在の変化は、人間が「共に在ること」をどれほど必要としているのかを改めて浮かび上がらせました。

マハレの野生チンパンジー
マハレの野生チンパンジー

本研究領域「共在研究」は、現代社会において拡張・変容する共在のあり方を、心理学、神経科学、社会学、人類学、教育学、情報学、工学、哲学、倫理学、動物行動学などの学融合的な視点から総合的に理解し、個人と社会のウェルビーイングに資する新たな共在の理論と実践を創出することを目指します。

共在とは何か

「共在」とは、自己と他者が互いにアクセス可能であり、働きかけや相互作用が可能である状態を指します。

共在は、必ずしも対面に限られません。オンライン空間で同じ授業を受けること、離れた場所にいる相手の存在を感じること、ロボットやAI、動物と関わること、同じ地域や文化の中で互いの存在を意識しながら暮らすことも、共在の重要な形です。

一方で、同じ場所にいても「一緒にいる」と感じられない場合があります。逆に、物理的には離れていても、相手の存在を強く感じる場合もあります。ここに、共在を研究するおもしろさと難しさがあります。

本研究領域では、共在を次の三つの方向から捉えます。

共在の三つの方向性(共在基盤・共在拡張・共在理論)概念図

第一に、共在の基盤です。人はどのような社会的・文化的・生物学的条件のもとで、他者と共に在ることを感じるのか。地域、学校、職場、家庭、祝祭、サードプレイス、孤立や孤独といった多様な社会的文脈の中で、共在の構造を明らかにします。

第二に、共在の拡張です。ICT、メタバース、ロボット、AI、伴侶動物などによって、共在は「今ここ」や「ヒト対ヒト」を超えて広がりつつあります。遠隔・仮想空間や非人間アクターとの関係において、どのように共在感覚が生じるのかを検討します。

第三に、共在の理論です。共在とは何か、併置、共存、共生、協働、共感といった近接概念とどのように異なるのかを整理し、実証研究と連携しながら、共在をめぐる新たな理論的枠組みを構築します。

3つの研究項目

本研究領域は、3つの研究項目から構成されます。

項目A 共在基盤

項目Aでは、共在を成立させる社会的・文化的・生物学的・発達的基盤を明らかにします。

地域、ライフステージ、職場、学校、孤立・孤独、サードプレイスなど、現実社会の多様な文脈の中で共在を測定し、その効果を検証します。また、子どもの発達や教育環境に焦点を当て、対面、オンライン、メタバースなどの就学環境における共在が、学習、心理的発達、ウェルビーイングにどのような影響を与えるのかを明らかにします。

項目B 共在拡張

項目Bでは、技術や非人間アクターによって拡張される共在を研究します。

ICTを介した遠隔・仮想コミュニケーションにおいて、触覚、温度、身体の動き、ジェスチャーなどの非言語的情報が、共在感覚をどのように高めるのかを検討します。また、伴侶動物や伴侶ロボットとの関係を通して、人間がヒト以外の存在とどのように共在を形成するのかを明らかにし、新たな共在環境の設計と社会実装を目指します。

項目C 共在理論

項目Cでは、共在という概念そのものを明確化し、実証研究と往還しながら理論化を進めます。

哲学、人類学、コミュニケーション論、社会神経科学などの視点から、共在の定義、近接概念との関係、共在の成立条件、共在の倫理的課題を検討します。さらに、各計画研究や公募研究で得られた知見を統合し、共在研究を新たな学問領域として発展させます。

項目A 共在基盤 概念図
項目B 共在拡張 概念図
項目C 共在理論 概念図

本領域が目指す成果

本研究領域は、共在をめぐる理論、指標、実践を相互に結びつけることで、現代社会における「共に在ること」の新たな理解を生み出します。

具体的には、第一に、共在を測定・評価するための指標を整備します。主観的な共在感覚だけでなく、行動、生理、神経、遺伝、社会ネットワークなどの多様な指標を組み合わせ、現実社会で使える共在評価の枠組みを構築します。

第二に、共在が個人や社会にもたらす効果を明らかにします。学習、発達、メンタルヘルス、ウェルビーイング、孤立・孤独、社会的つながりなどに対して、共在がどのように関わるのかを実証的に検討します。

第三に、現代社会にふさわしい新たな共在環境を提案します。学校、職場、地域、オンライン空間、メタバース、ロボット、AI、伴侶動物など、多様な場面で人々がよりよく「共に在る」ための設計指針を示します。

第四に、共在の理論を構築し、国内外へ発信します。実証研究と理論研究を往還させることで、共在を人間性、社会性、文化、技術、生命のあり方を考えるための新たな学問的基盤として発展させます。

共在研究領域が目指す成果と社会への展開 構造図

社会への展開

共在研究は、単なる基礎研究にとどまりません。

学校における授業設計や不登校支援、職場における対面・リモートワークの設計、地域社会における居場所づくり、孤立・孤独への対応、メタバースやロボットを活用した新たなコミュニケーション環境の開発など、現代社会のさまざまな課題に関わります。

本研究領域では、研究成果を学術論文として発信するだけでなく、公開講座、シンポジウム、ウェブサイト、動画配信、ワークショップなどを通じて、教育現場、行政、企業、地域社会、市民と共有します。

「共に在ること」を問い直すことは、私たちがどのように学び、働き、暮らし、他者や社会と関わるのかを問い直すことでもあります。本研究領域は、変化し続ける現代社会の中で、人々がよりよく共に生きるための知を創出します。

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ナギの部屋

Nagi's Room

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共在研究 シンボルマーク

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共在研究 タグライン

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オンライン授業やビデオ会議などに利用可能なバーチャル背景です。