共在発達
発達文脈における共在基盤と共在構造の理解
ヒトの子ども、および動物における共在基盤研究(16:25)
Research ProjectsA02
A02では、子どもの発達と教育環境において「共在」がどのように成立し、学習、学校適応、心理的発達、ウェルビーイングにどのような影響を及ぼすのかを明らかにします。現代の学校では、対面授業だけでなく、オンライン授業、メタバース空間、教育支援センターなど、多様な就学環境が併存しています。一方で、不登校、孤立、メンタルヘルスの低下など、子どもが他者と「共に在る」ことに困難を抱える場面も増えています。A02は、こうした現代的な教育課題を、共在という視点から捉え直します。
本研究では、学校フィールド調査、ヒト子どもの実験室実験、動物モデル研究の三つを連携させます。第一に、学校現場を対象とした縦断調査では、不登校児童生徒を含む多様な学習者について、対面、リモート、メタバースなどの就学環境における共在感覚・共在効果を測定します。学校風土、友人・教師関係、神経発達症特性、スクリーンタイムなども含めて分析し、共在が学校適応やウェルビーイングに与える影響を明らかにします。
第二に、実験室では、未就学児や小学生を対象に、共在が情動、生理状態、認知処理、学習効率に与える影響を検討します。親子で同じ映像を共有する場面や、対面・ビデオ通話・音声通話・録画による授業場面を比較し、視線、心拍、脳波、情動評定、記憶成績などを測定します。これにより、子どもにとって「一緒にいる」と感じられるために必要な感覚情報、同時性、双方向性などの条件を特定します。
第三に、動物モデル研究では、思春期の共在経験が、成体期の社会行動や情動調整、神経回路にどのような影響を与えるのかを検証します。隔離、視覚的接触、遠隔共在などを操作し、行動、エピゲノム、神経ネットワークのレベルから、発達期の共在がもつ生物学的な意味を明らかにします。
これらの研究を統合することで、A02は、発達段階に応じた共在の成立条件と効果を明らかにし、教育現場で活用可能な評価・支援・授業設計の指針を提案します。また、A01の社会的文脈研究、B01・B02の拡張共在研究、C01の理論研究と連携し、子どもの発達における共在の基盤を理論と実践の両面から明らかにします。
研究者一覧
石川 光彦
一橋大学 講師
須藤 美織子
国際基督教大学 助教
西村 倫子
大阪大学 准教授
小坂田 拓哉
東京科学大学 特任准教授
茂木 一孝
麻布大学 教授
和久田 学
公益社団法人 子どもの発達科学研究所 所長
大須賀 優子
公益社団法人 子どもの発達科学研究所 副所長
足立 匡基
明治学院大学 准教授
髙橋 芳雄
金沢大学 准教授
森 裕幸
埼玉学園大学 専任講師
栗田 幸平
大阪大学 特任助教
千住 淳
浜松医科大学 教授
(C01兼任)