共在アクター
ヒトを超えたアクターへの共在拡張の理解・実践的展開
ヒトと伴侶動物の多様な共在の記述(14:05)
Research ProjectsB02
B02では、動物やロボットなど、ヒト以外のアクターとの関係において「共在」がどのように成立し、人間の心理や行動にどのような影響を及ぼすのかを明らかにします。現代社会では、イヌやネコなどの動物が家族の一員として暮らす一方で、パートナーロボットやAIも人間に寄り添う存在として社会に入り始めています。B02は、最古の家畜であるイヌとネコ、最新の技術であるロボットを比較することで、人間が非人間アクター(動物やロボット)と「共に在る」と感じるための条件を探ります。
本研究では、三つの研究計画を進めます。第一に、動物と人間の共在を、実際の生活場面で縦断的に調べます。家庭で暮らすイヌやネコ、作業犬、保護犬とその関係者を対象に、両者の関係が築かれていく過程を追跡し、共在感覚がどのように変化するのかを明らかにします。具体的には、行動モニタリング、心理・認知実験、神経内分泌指標を組み合わせ、動物と人間の共在感覚とそれを支える相互行為の特徴を検討します。
第二に、ロボットとの間に共在感覚を形成する要因を探求する実験的研究とフィールド調査を行います。ロボットと人間の間で生じる身体動作や心理状態の「同調・脱同調」、さらに相互作用の中で共有される「規範」や「物語」が、人間の共在感覚にどのような影響を与えるのかを、実験室にとどまらず、様々な実フィールド(教育場面、展示会など)で検証します。具体的にはリズムや心理状態に応答するロボットや、大規模言語モデルを搭載し人間と対話可能なロボットなどを適宜開発していき、それらのロボットとの間に人間が「規範」や「物語」を生成していく相互行為の条件を明らかにします。
第三に、非人間アクターと人間が共に創る新しい共在フィールドを設計・実践します。たとえば、イヌと人間の共在によって住民の生活の質の向上を目指すモデル地区や、ロボットを配置したカフェなどを構想し、地域社会の中で実践的に検証します。また、SFプロトタイピングやワークショップを通じて、動物・ロボット・人間が共に暮らす未来のあり方を市民とともに議論します。
これらの研究を通じて、B02は、「異質な他者」である非人間アクターが人間にもたらす共在感覚の普遍性と特殊性を明らかにします。さらに、動物とロボットを比較することで、人間中心主義を超えた共在の新しい枠組みを提案し、共在拡張に伴う倫理的・法的・社会的課題についても検討します。得られた知見は、ロボット・AI技術を用いた共在環境の設計や、動物と人間が共に生きる社会づくりに活かされます。
研究者一覧
今野 晃嗣
麻布大学 講師
高橋 英之
追手門学院大学 准教授
山縣 芽生
同志社大学 助教
福田 実奈
京都外国語大学 講師
大澤 博隆
慶應義塾大学 教授
岡田 美智男
筑紫女学園大学 教授
高木 佐保
京都大学 特定助教
子安 ひかり
日本女子大学 助教
岡部 祥太
千葉大学 助教
永澤 美保
麻布大学 教授
菊水 健史
麻布大学 教授
大石 高典
東京外国語大学 准教授
藤田 瑞穂
京都市立芸術大学
大北 碧
甲南女子大学 講師
清水 大地
神戸大学 助教
松岡(初田)響子
神戸大学
吉田 尚人
京都大学 特定研究員
Sonia Zhang
北海道大学 助教
中井 きらら
東洋大学 / 追手門学院大学
石井 健太郎
専修大学 准教授
峯岸 朋弥
東京通信大学 講師
奥野 克巳
立教大学 教授
(C01兼任)